症状固定時期② 症状固定の時期は遅らせた方がよい?
2025/12/01
1 症状固定時期を遅らせるということ
前回、一般的な症状固定の時期について、ご説明しました。
では、症状固定時期は、できる限り遅らせた方が有利なのでしょうか。
後遺障害の等級認定に当たっては、医師の作成した後遺障害診断書と画像を踏まえて判断されます。労災の場合は面談等をして地方医がもう少し丁寧に判断しますが、自賠責の場合は、書面審査が一般的です。
したがって、この後遺障害診断書にどのように書かれるかがポイントになります。
定期的に通院している場合、患者の側から症状固定時期について希望を伝えると、主治医の先生も親身に検討してくれることは多いのではないでしょうか。
しかし、症状固定時期を遅らせた結果、リハビリ効果が出て、症状が良くなるということはあり得ます。そうすると、例えば、可動域の制限が問題となるようなケースの場合、ある時期に症状固定と判断されていれば後遺障害が認定されていた可能性、あるいは、より上位の等級が認定されていた可能性があるのに、症状固定時期を長くした結果、後遺障害が認定されなかった、あるいは、下位の等級が認定されてしまったということが生じ得ます。
もちろん、交通事故の被害者の方からすれば、お体の具体が良くなったということなので、それはそれで喜ばしいことなのですが、賠償の観点からすれば、損をしているという見方もできます。症状固定という言葉が、医学的には症状の改善がない状態という意味であるとすれば、先ほどの「ある時期」の例は、まだ症状固定ではない時期であったともいえるかもしれません。
しかし、タイミングによっては上記のような差異が生じる可能性があることは、頭に入れなければなりません。
2 まとめ
当事務所では、交通事故の被害に遭われた方の症状を定期的に把握し、どの時点で後遺障害の申請に入るか、症状固定のタイミングもアドバイスします。
後遺障害診断書の作成に当たっては、主治医とのコミュニケーションを図る努力もしています(面談をお願いした
り、後遺障害診断書作成に当たって着目して欲しい点について、お手紙を送付したりしています)。
交通事故の被害に遭われ、後遺障害認定を考えていらっしゃる方は、是非、一度、河口法律事務所にご相談くださ
い。
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河口法律事務所
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