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保険料差額(保険料の増額分)を加害者に請求できるか①~物損の場合

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保険料差額(保険料の増額分)を加害者に請求できるか①~物損の場合

保険料差額(保険料の増額分)を加害者に請求できるか①~物損の場合

2025/10/04

1 はじめに

交通事故の被害に遭われた場合、基本的には加害者の加入する保険会社から賠償を受けることになります。

しかし、例えば、物損事故で、経済的全損(車両の修理費用が時価額を上回る場合)の場合、車両を買い替えることなく修理に出したいと言っても、加害者側の保険会社が修理費用の全額を負担してくれません。

このような経済的全損のケースに限らず、車両保険に加入されている場合、交通事故の被害者がそれを利用して損害の補填を行ったときには、自らの加入する保険の等級が下がり(3等級下がると言われています)、保険料が増額されることになります。

では、このように交通事故の被害者の方の増額された保険料の分を、加害者に請求できるでしょうか。

物損の場合と人損の場合を見ていきいます。

今回は物損です。

 

2 保険料差額(保険料が上昇した分)を請求できるか

確かに、交通事故によって車両保険を利用することになったわけですので、事故がなければ利用することもなかったという意味では、因果関係があるようにも思えます。

しかし、保険を使うかどうかの選択は、被害者の意思が介在します。

保険を使わなければ、当然、保険料が割増になることはなく、損害は発生しません。

車両の損傷自体が損害だとすると、その損傷が修繕されれば、損害は填補されます。

加害者の側からすれば、車両の修理代は損害ということになりますが、それで損害が填補されれば、保険を使っても使わなくても一緒だということになります。つまり、交通事故の被害者が車両保険を利用して保険料差額まで負担しなければならないとすると、利用された場合には加害者の損害が拡大することになります。

以上のような事情を踏まえて、保険料差額については、因果関係が無いということで否定されると考えられています。

 

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