可動域制限の場合と14級9号
2025/07/14
交通事故の被害に遭い、上肢や下肢を骨折し、これにより可動域に制限が生じた場合、健側と言われる、健康な側と比較して4分の3に制限されたときは、12級6号あるいは7号が認定されます。これが2分の1とされに制限が大きな場合、10級10号あるいは11号が認定されます。
この可動域の制限は、可動域に制限がかかった部位に、器質的損傷(身体の組織そのものに生じた損傷のこと)が見られる場合に認定されます。
典型的には骨折で、打撲程度では器質的損傷とは評価されないことがほとんとです。
可動域の制限が、器質的損傷と評価されるもの以外の原因で生じた場合には整形外科領域の12級6号ないし7号あるいは、10級10号ないし11号の後遺障害とは認められません。
交通事故により生じた痛みから、神経症状により、関節が拘縮して可動域が制限されたといったケースが典型的です。この場合には、可動域の制限が、健康な側と比較して4分の3や2分の1に制限されたとしても、それは神経の症状として判断されることになります。
実はこの差は大きいです。
特に、逸失利益の算定に大きな違いが出ます。
例えば、整形外科領域の12級6号あるいは7号の場合、67歳まで就労可能という計算で算出することが多いのですが、神経症状として把握された場合、12級13号だと10年、14級9号だと5年という形で制限される可能性があります。
収入が多い方や、就労可能期間が長くなる若い方の場合、非常に大きな額の差が出ることになります。
そのため、可動域の制限が認められるケースの場合、その原因とった部位に器質的損傷が無いか、医師の画像の読影によっても結論が左右される可能性があるため、慎重に検討する必要があります。
当職の経験では、実際に、最初の後遺障害認定では非該当とされましたが、医師の読影に関する意見書を添付して異議申し立てをしたところ、12級が認定されたケースもあります。
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