評価損(格落ち)について
2025/07/21
被害車両の修理が可能であり、修理をした場合、機能や外観に欠陥が残っていたり、事故
歴がついたことにより評価が下落したことによる損害(評価損)を認めることができるのかという問題があります。
これが、評価損と言われる問題です。
評価損の類型には、以下の二つがあります。
①技術上の評価損
②取引上の評価損
①は、修理をしてもなお、技術上の限界から、走行安全性に関わる部分以外の一部機能や外観に何らかの欠陥が残った場合です。
②取引上の評価損
事故歴・修理歴ある車両に対する評価(価値)の下落です。
このうち、実務上よく問題になるのは、②取引上の評価損です。
一般的に、評価損が認められるか否かは、裁判例では、車種(高級車か否か等)、損傷の部位・程度、修理の内容・程度、初年度登録からの経過期間、走行距離等を考慮して、評価の下落が発生する蓋然性が高いといえるかどうかという観点から判断されます。
しかし裁判外の示談交渉の現場では、保険会社は、容易にはこのような取引上の評価損を認めてはくれません。
車の査定を行う第三者機関としては、「一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)」がよく知られています。
交通事故により車の価値が下がってしまった場合には、日本自動車査定協会に申請を行うことにより、査定の上で「事故減価額証明書」を発行してもらうことができます。
事故減価額証明書は、保険会社との交渉や損害賠償請求訴訟などの際に証拠として利
用することが可能です。
裁判になった場合に、裁判所を拘束するまでの証拠とはなりませんが、参考としての証拠価値はあり、。実務的には、まず、事故減価額証明書を取り付けてもらい、保険会社と交渉で解決ということが多いと思います。
当事務所で最近担当した事件では、事故減価額証明書の全額では無かったですが、修理費の10%を評価損として認めるということで、訴訟外で示談したケースもあります。
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河口法律事務所
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